2011/06/11

夢想、Lion、Thunderbolt、Xsan、そしてFCPX

お久しぶりです。ほぼヤルヤル詐欺とかしている、予告を無視して前回と関係ないことを書き連ねようかと。

先日のWWDCでLionの詳細が発表されましたね。4月のFCPXの発表(?)そして、iMac,MacBook Pro搭載のThunderbolt。

Appleが実際どう考えているのかはわかりませんが、我らFCPでお金を生み出している、映像制作の人間としてはとても興味深い状況かなと。

Lionで一番驚いたのは、実はApp Store経由でのリリースやもろもろより、
◯Server版がadd onでしかも4,600円と廉価なこと。
◯Lion ServerはXsanのMDC機能が標準搭載。
◯LionはXsanクライアント機能が標準搭載。
◯Xsanがネットワーク経由で扱える。
という4点です。
はい、天邪鬼ですね。
さて、以下ぼやきと夢。

Mac Proによる大規模な映像制作システムは、拡張性、安定性などなど、様々な理由から広く普及しているはず。
ただ、ぽつぽつと限界値も見えつつあるのが現状だと思っています。

ひとつはProResに代表される圧縮コーデックによる映像制作の一般化。
SD時代は、オンラインは非圧縮4:2:2という認識が多かったかなと。
ですが、HDが当たり前になってくるのと同時にProResような圧縮映像がオンラインに使われるようになってきました。その圧縮コーデックは、非圧縮HDの1.5Gbpsものスピードを必要とせず、また、容量も大幅に節約できる。

今まで非圧縮に耐えられるように設計されていたRAID機器は非圧縮が数ストリーム走る程度のものでした。が、そんなスピードだと、ProResなんてかなりのストリーム数走るんです。となると、今まで1台のMacに1台のRAIDとして使っていたものを、数台のMacで1台のRAIDでいいんじゃね?データの重複はなくなるし、コピーもめんどいし。
と僕は考えます。ただ、そのためのシステムはまだまだ高価なものでした。
初期投資で1000万ほど、そして毎年100万円ほど吹っ飛びました。

時代は流れ、ProRes程度であれば、ギガビットイーサ上のiSCSIでも通るようになってきました。ようやく、メチャ高いファイバチャネルベースのシステムから解放!

ですが、サードパーティの提供するiSCSI SANは仮想LUNの容量や、共有ファイルシステムのアクセス権問題など、現状のFC-SANのような使い勝手とは程遠い物でした。

僕は3年ほど、metasanという4GファイバチャネルによるSANを使っていました。どのMacからでも500MB/secものスピードが出て、どんなファイルでもどのMacからも開ける。本当に素晴らしいものでした。価格もね。

そして今年から、DDPというiSCSIベースのSANシステムへ乗り換えてみました。スピードはそこそこ(とはいえ簡単に400MB/secぐらいまでは出ますよ)。ただし、1仮想ボリュームあたり2TBなんて制限やファイルロックシステムに若干のバグ。ちょっと悩んでおりました。

そこにこのLionでのXsan標準搭載の情報。
どのニュースでも全然触れられていないですが、これ大きいです。
しかもAppleのサイトを見るとネットワーク経由でXsanを実現との表記。
これ大事件ですよ。
Xsanを構築するにはXsan Adminが必要になり、そのためにはLion Serverが必須のようです。でも、4,600円ですよ。
挙句、クライアント無料って。

今までXsanて1ライセンス10万の保守が年間1ライセンスあたり10万だったはず。
しかもFCなんで、スイッチも高価で、メタデータネットワーク用に別LANが必要だったりともうめんどいことめんどいこと。

それが、ですね、
ネットワーク経由でよい→FCいらない。超安い。
ネットワーク経由でよい→AFPではない=iSCSI?(だってもともとAFP共有ならできるし)
クライアントはLion標準搭載→タダ。

ね、事件ですよ。
LDAPでのユーザ識別は必要なのかとか、MDCはクライアントを兼ねていいのか、とか
FC-RAIDをiSCSI経由でSANボリュームとして提供できるのかとか、いろいろ疑問はありますが、それはおいおい調べてみないとね。

映像業界的にはXsanはディスコンと噂されているほど下火になりつつあるのは否めません。ですが、逆に僕は、このLion&Lion Serverへの標準搭載でちょっと違ってくるのではないかなと。

そこに絡んでくるのはThunderboltなんです。
Thunderboltって大雑把に乱暴に言うと、単純にPCI Expressを外部に出しただけなんですよね。でもこれがとても重要なんです。

iMacにThunderboltがついて僕が一番最初に思ったのは、あぁこれでMacProは要らなくなるかなってことなんです。
ここ何年にも渡りMacProを使い続ける理由というのは、KONAシリーズやDeckLinkシリーズ、そしてファイバチャネルのRAIDを使うため、SANを使うため、だったんですから。

さて、今後組むシステムの夢想。
自分のメインマシン、MacPro(デカイの好きなんだもんwwww)
あとはiMacとMacBookPro。
全員をiSCSIなXsanでストレージ共有。
ビデオのアウトは必要な場合にThunderboltなAJAかBMDの製品で対応。
レンダリングしたいときはThunderboltでGPU追加。
なんて感じじゃないのかなと。
てか、Thunderbolt搭載したらMacMiniでいいじゃん、って思っちゃうんですよね。

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